今日の記事はいつもと少し違う構成でお届けしたいと思います。

アプリ開発者の生命線

App StoreとGoogle Playはモバイルアプリ配信市場をほぼ独占していると言っても過言ではありません。Android端末ではGoogle Play以外からプログラムをダウンロードしてインストールすることができますが、iPhoneやiPadに関してはjailbreakして保証を無効にしなければApp Storeにないアプリを入れることはできません。アプリ開発者はAppleとGoogleの言いなりです。

ここに、いくつか問題が発生します。

・コンテンツの審査がある
Apple, Googleともに配信されるコンテンツに対して審査を行っています。`例えばAppleであれば過度に性的なコンテンツ、銃器・弾薬や武器の危険な使用や購入を助長するアプリ、リアルな暴力・スプラッター表現、ジョークアプリ、「プロの風刺家など」以外によるキワドイ表現が禁止されています。また、薬物やタバコ、電子タバコの使用や販売に関するアプリも基本的に禁止されており、飲酒運転の検問の位置に関する情報も警察機関が公表しているもののみしか許されないなど、細かな規定があります。ギャンブル性のあるアプリに対しても年々厳しくなっています。


Google Playの規約もほぼ同じ内容です。例えば、言論の自由を主張するGabというソーシャルメディア(最近ブレイブブラウザをフォークするなど、仮想通貨界隈に接近中)は、事実上ヘイトスピーチの溜まり場になっているとして、Apple・Googleの双方のアプリストアから削除されました。

・支払手段を握られ、コストがかかる
料金の支払いはアプリの購入とアプリ内課金のみである必要があり、それ以外の支払い経路があってはいけません。最近ではサイバーステップが運営するクレーンゲームアプリ(実際のクレーンゲームを遠隔操作する)「トレバ」がクレカ決済を提供していたため削除され、アプリ内決済に切り替えることで復活しました。(なお、アプリ内課金のうち30%がAppleの収益になるので、20%ほど値上げされました。)

ブラウザゲーム

そこで気になるのが、ブラウザゲームにライトニングやビットコインのウォレットを使って課金することで事実上App StoreやGoogle Playを迂回し、スマホへの配信を行えるのではないかというところ。ダウンロードではありませんので技術的な面で多少限られてくるかもしれませんが、可能性ならあるんじゃないかと思います。

・WebAssemblyによるブラウザゲームの高速化・バイナリ化
これはブラウザゲームのクオリティの向上が期待できる進歩ですが、まだ比較的若いテクノロジーなので普及や対応にしばらくかかるかもしれません。また、バイナリーデータとして配信されるので、丸ごとコピーされて送金先だけ変えられて他の誰かに盗用される心配は減ります。

・WebVRによるお手軽VRゲーム
こちらも登場して数年ですが、徐々に浸透しているブラウザを使ってアクセスするVRの規格で、例えばSatoshi's PlaceのVR(3D)版なんかは割とシンプルに作れそうです。

問題

アプリストアに載せるのと比べてユーザーに見つけてもらうことが難しいです。なので、そこに多少はコストがかかると思います。(広告宣伝費)また、モバイルブラウザ関連は解像度や性能が様々な端末があるので、ある程度割り切らないと地獄です。

本当にバリューがあるのか

2017年に流行ったVALUという「個人の株を発行・売買する」という個人版ICOのようなサービスがありましたが、あれは当時ビットコインのみを受け付けていました。にも関わらず流行したということは、投機的な目的にせよ、VALU購入の見返りが目的にせよ、「わざわざビットコインを用意してでも使いたい」という層を掴めていたのではないかと思います。(時期的にビットコインを保有している人も多かったでしょうが。)やはり個人的には「わざわざ」ライトニングやビットコインを使ってまで購入したいサービスというものが少ない現状、これらの技術が浸透していくペースはゆっくりだと思います。

そこで、もし既存のアプリストアでは(規約や法的に)難しい内容が際どいゲームや微課金のゲームなどが登場して人気が出れば少しずつ普及していくのではないかと思います。アプリストアには国境がありますが、ウェブにはないので、規制のゆるい国を拠点にかなり自由な開発ができるかもしれません。特に、ゲームでよく遊ぶ若い学生などが往時のフォーセットのように、アンケートなどで少額のビットコインを受け取ることができるようになると、そのような文化が浸透しやすくなるのではないでしょうか。