今日のコラムは厳密にはビットコインのことに限りませんが、デジタル通貨と親和性の高い「ユーザー認証」に関してです。

個人的には、次の5年間でオープンソースの世界で期待している分野で、自分も関わりたいです。過去に「ライトニングの普及がGoogle PlayやApp Storeを介さないアプリ配信やウェブアプリの主流化に繋がるかもしれない」という記事を書きました。私はアプリストアの機能は「決済」「ユーザー認証」「アプリの発見」であり、デメリットは「手数料」「内容やユーザーの制限」だと考えています。そこで、ライトニングで決済が簡単に導入できれば一部の開発者はアプリストア離れをするのではないか、という記事です。

しかし、ユーザーがアプリごとに個別にアカウントを作成したり、Facebookなどの他のサービスに依存するのでは、利便性と内容やユーザーの制限のトレードオフが発生してしまい、ユーザーと開発者双方にとって魅力が半減してしまいます。そこで、せっかくライトニングを使っているのであれば、公開鍵認証を使って「アカウント作成不要で簡単に」ログインできれば一番スムーズなのではないでしょうか。

公開鍵認証とは

公開鍵をサービスに登録することで、秘密鍵を使った署名を送るだけでログインできるという認証の方式です。秘密鍵を流出させない限り安全性は高く、ID・パスワード方式より好ましいとされています。(例えば開発者であれば、SSHやGitHubのログインなどに使っているかと思います。)関連して、今月東京で開かれたb.tokyoにてbitFlyerの加納さんが発表した「bPassport」について、同じくbitFlyerの小宮山さんがわかりやすいnoteを書いていました。前半に認証の話を書いてくれています。bPassport自体はブロックチェーンを利用してユーザー情報を認定し保存するアイデアのようです。

きっと何者にもなれないお前たちに告ぐ|小宮山 峰史
せいぞーん せんりゃーく!! 再びタイトルで遊んで申し訳ない、またあまりにもマイナーなネタで申し訳ない。とりあえず申し訳ない。 さっそくだが先日 b.tokyo で当社の加納が bPassport について発表した。手前みそながらブロックチェーンの未来へのワクワク感を伝えることができたのではないかと鼻が高い。 しかし謎めいた bPassport という言葉といくつかのイメージだけでは消化不良を起こしているかもしれないので、この場を借りて少し深く紹介しようと思う。 bPassport は一言でいえば「自分が何者であるか」を扱うシステムである。これは加納が語っていたことと関
"Sign in with Lightning"

今日出た記事で読んだのですが、OpenNodeで働くエンジニアがこれに似た「Sign in with Lightning」という機能を開発し、lapps.coというウェブサイトで利用できるようにしたようです。仕組みは簡単で、ログインしたいユーザーがライトニングウォレットで1satのインボイスを作成し送るだけ。実際に1サトシ支払われるわけではありませんが、これで相手に特定のIDのライトニングノードの所有者であると証明できるので、認証に使える、というものです。果たしてライトニング内でやるべきことなのかは別として、やはりP2P少額決済とセキュアでオープンなユーザー認証にシナジーがあるという考えがわかります。

まとめ

自分は技術的な成熟が進めば、自ずとP2P決済と公開鍵認証で使えるウェブサイトやアプリがたくさん出てくると強く考えています。今はまだP2P決済の普及も、オープンで簡単なユーザー認証もこれからの段階ですが、開発者や経営者なら大幅なコスト削減が見込める、勉強しておいて損はない分野だと考えています。